第41回 全国豊かな海づくり大会 兵庫大会 ~御食国ひょうご~

兵庫大会開催概要

基本構想

開催意義

兵庫県の特色

兵庫県は日本の縮図といわれ、北は日本海、南は瀬戸内海、太平洋に続く紀伊水道の3つの海に面しています。中央部には中国山地が東西に横たわり、山地、平野、島々など広大で変化に富んだ地形に加え、降雪、温暖といった様々な気候が存在するなど、多様な自然環境を有しています。また、兵庫県を構成する摂津(神戸・阪神)、播磨、但馬、丹波、淡路といった5つの地域は、長い歴史の中で形成された特色ある固有の風土、文化を有し、それぞれの地域に根ざした多彩な農林水産業が営まれています。

兵庫県
兵庫県

兵庫県の水産業

明石海峡で操業する船びき網漁船

明石海峡で操業する船びき網漁船

兵庫県では海域の特性に応じた様々な漁業が営まれています。日本海では、沖合底びき網などの沖合漁業を主体に、ズワイガニ、ホタルイカをはじめ、ハタハタ、ベニズワイガニ、カレイ類などを水揚げしています。また、瀬戸内海では、船びき網や小型底びき網などの漁船漁業を主体に、イカナゴ、シラスをはじめ、マダコ、マダイなどを水揚げし、またノリをはじめ、ワカメ、カキ、トラフグなどの養殖業も盛んです。

本県の漁業生産量は全国で10位前後、近畿6府県の約7割を占めており、京阪神等へ水産物を供給する重要な生産基地となっています。これらの漁業を将来にわたり持続的に行えるよう、資源管理や漁場改善のほか、稚魚放流による栽培漁業や生産性の高い漁場整備などに取り組んでいます。

河川や湖沼では、アユなどを対象とした内水面漁業が営まれています。内水面漁業は水産物の供給だけでなく、釣りなどを通じた自然と親しむ機会の提供など、県民生活の豊かさを創出する様々な役割も担っており、水産動植物の増殖や漁場環境を保全・管理する活動を進めています。

大会開催の意義

農業者と漁業者の協働によるため池の「かいぼり」

農業者と漁業者の協働によるため池の「かいぼり」

本県では昭和57年7月に城崎郡香住町(現:美方郡香美町)において、皇太子同妃両殿下をお迎えし、「第2回全国豊かな海づくり大会」を開催しました。以後、県内各地で放流種苗にかかる生産施設の整備や種苗育成・放流技術の向上に努め、栽培漁業を推進するとともに、稚魚育成のための漁場整備、さらには漁業者自らによる資源管理の実践など、豊かな海づくりに向けた多岐にわたる取組を推進してきたところです。

なかでも、底びき網漁業者が、混獲した小型魚を再放流する「バックフィッシュ運動」や、漁業者が中心になって抱卵ガザミの保護運動を行う「ガザミふやそう会」は、漁業者自らが資源管理型漁業に取り組む先駆的な活動として全国的にも注目を集め、高い評価を得ました。

一方、瀬戸内海では、高度経済成長期に進行した富栄養化の対策として水質規制等を推進してきた結果、水質は改善されたものの、窒素やリンなどの栄養塩の不足が生じており、このため、近年、養殖ノリの色落被害が顕著に見られます。栄養塩は海の生態系に不可欠なものであり、その不足はイカナゴをはじめとする漁獲量の減少にもつながる大きな要因と考えられ、水産資源への影響も深刻な状況です。

このような環境の変化を受け、本県では、海へ豊かな栄養分を供給するための漁業者の森づくり、農業者等と連携したため池のかいぼり(池干し)、さらに、生物の生息環境を改善するための浅場の造成や海底耕耘など様々な活動を展開しています。

さらに、県内の下水処理場においては、基準の範囲内で下水処理放流水中の窒素濃度を引き上げる栄養塩管理運転を全国に先駆けて実施するなど、栄養塩の適切な管理の実現に向けた取組を積極的に進めています。

これらの取組によって、四季折々の豊かな水産物が将来にわたり安定的に供給されることを、漁業者のみならず多くの県民が切に願っています。

「全国豊かな海づくり大会」を再び兵庫で開催することにより、豊かな海の創出に取り組む本県の姿を全国に発信し、その取組の輪をさらに広げ、全国の水産振興にもつなげていきます。

併せて、つくり育てる漁業や水産資源の保護・管理を一層進める契機となるとともに、本県が誇る水産物の魅力を大会を通じて全国に発信することは、県内漁業者の意欲を更に高め、水産業の振興・発展にも大きく寄与します。

さらに、水産関係施設や漁村に甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災から27年を迎え、全国の皆様から頂いたご支援に対する感謝と、復興を成し遂げたその経験・教訓を、未来にわたって伝え続ける姿を発信する絶好の機会とします。

基本理念

豊かな海づくりに向けた兵庫の取組を積極的に発信し、全国各地との交流を深めつつ、本県が目指す豊かな海の創出に向け、その取組を一層確実なものにするとともに、海の恵みを将来に渡り享受できる社会の実現を目指します。また、県内各地で水揚げされる水産物をはじめ、本県の多彩な魅力を広くアピールし、水産業の振興と地域の活性化を図ります。

基本方針

「豊かで美しいひょうごの海」の創出と継承

兵庫県の有力漁場である瀬戸内海では、水質が大きく改善した一方で貧栄養化が進行し、水産資源に悪影響が生じている状況を県内外に発信します。そして、森・川・里・海のつながりの中で、私たちの日々の生活が海と陸との栄養の循環に大きく関わっていることを県民・国民が認識を深めるとともに、栄養塩の適正管理や藻場造成等の新たな沿岸域の保全等を通じ、人々の暮らしや社会の発展と調和した「豊かで美しいひょうごの海」を創出し、次世代につなぐための大会とします。

力強い水産業の確立と地域の活性化

日本海と瀬戸内海及び河川において、種苗の放流、魚介類の生息場の整備などによるつくり育てる漁業や、漁獲サイズ・量、採捕期間・場所などを制限する資源管理をさらに推進します。また、沖合漁業を主体とする日本海、漁船漁業と養殖業が盛んな瀬戸内海など、県内各地の地域の特性に応じて水揚げされる四季折々の水産物を使った魚食普及や食育活動などの消費拡大に加え、商工観光関連団体等との連携による水産物のブランド化を一層進めることで、力強い水産業の確立と地域の活性化につなげる大会とします。

「豊かで多彩なひょうごの魅力」の発信

かつてけつくにと呼ばれた淡路島を有する兵庫県では、現代のけつくににたとえ、豊かな農林水産物を発信・提供する取組を進めています。そこで、この大会を通じ、日本海と瀬戸内海、さらには、そこに流れ込む多くの河川などで育まれた水産物をはじめ、摂津、播磨、但馬、丹波、淡路のひょうご五国が有する多様な気候・風土に育まれた農産物のほか、雄大な自然、特色ある歴史と文化など、「豊かで多彩なひょうごの魅力」を全国に発信します。さらに、県外の皆様を心のこもった「おもてなし」でお迎えし、また兵庫県に来たいと思っていただける大会とします。

大会の概要

名称
第41回全国豊かな海づくり大会兵庫大会 ~けつくにひょうご~
主催
豊かな海づくり大会推進委員会
第41回全国豊かな海づくり大会兵庫県実行委員会
開催日時
令和4年11月12日(土曜日)・13日(日曜日)

【式典行事】
13日 10時頃~12時30分頃(9時頃開場)

【海上歓迎・放流行事】
13日 14時頃~15時頃(16時頃規制解除予定)

【関連行事】
豊かな海づくりフェスタ2022:12日 9時30分~16時、13日 9時30分~15時30分
ぼうぜ鯖祭り:13日 9時~15時
浜坂みなとカニ祭り:13日 9時~12時30分
淡路水産まつり:13日 9時~15時

開催場所

式典行事(13日):明石市民会館

海上歓迎・放流行事(13日):明石港ベランダ護岸
※12日・13日式典行事会場、海上歓迎・放流行事会場周辺は交通規制があります。

関連行事:
○海づくりフェスタ2022(12日・13日):明石公園
○サテライト会場(13日):妻鹿漁港、浜坂漁港、道の駅あわじ

行事内容
  1. 式典行事

    漁場環境の保全や資源管理、栽培漁業など豊かな海づくりに係る活動に功績のあった団体・個人の表彰、水産業や水域の環境保全を題材とした最優秀作文の発表、漁業後継者によるメッセージの発表、大会決議などを行います。

  2. 海上歓迎・放流行事

    豊かで美しい海を次世代につないでいくため、本県で漁獲される主要な魚種の稚魚等を放流するとともに、海上での本県漁船による紹介航行を行います。

  3. 関連行事

    豊かな海に向けた取組の紹介、県産農林水産物の販売などを行うとともに、県内各地でそれぞれの特色を活かした行事を展開し、全県を挙げた取組とします。
    ※関連行事には一般の方もご参加いただけます。(式典行事、海上歓迎・放流行事は招待者のみ)

大会テーマ

公募により、決定しました。

「広げよう 碧(あお)く豊かな 海づくり」

大会キャラクター

兵庫県マスコットキャラクター「はばタン」の大会専用コスチュームデザインを公募により、決定しました。

  • 海づくり大会はばタン
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